TheFutureForecast (管理人・黒子)
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第七回「本格ミステリ大賞」決定と選評。
今月号の「ジャーロ」で確認。

何と言いますか、興味深く読ませていただいたのですが、もう致命的なまでに個人個人で「本格」に対する考え方が違っていますね。とりあえず投票結果はこんな感じでした。

●結果〈小説部門〉(有効投票数50票)

道尾秀介 『シャドウ』  17票
京極夏彦 『邪魅の雫』  11票
鳥飼否宇 『樹 霊』    8票
石持浅海 『顔のない敵』  7票
柄刀一  『時を巡る肖像』 7票

評論部門はちょっと良く分からないので省きます。
んで、それぞれの作家や書評家の投票作品と選評を読んだのですが、本当に面白いぐらいずれていました。それが人それぞれ……というような表現で済めば良いのですが、みんながそういう姿勢とかではなくてあくまでも自分の「本各論」を展開しての選評なので、なんかギスギスしている雰囲気が出ていたような、いないような……。

とりあえず僕も上記の作品は事前に読んでおきました。
僕が投票するとしたら『顔のない敵』にしていました。道尾秀介の『シャドウ』はもちろん面白いですし、好きなのですが、いざ「本格」なのか?という問いがあった場合、素直に『シャドウ』は本格です。と言える自信が僕の中にはありません。
選評者の中にも『シャドウ』じゃなく、『骸の爪』だったら推していた――という意見が割と多くあって、その意見に思わず頷いていました。

作品の雰囲気や内容に構成といった様々な要因を含んで『シャドウ』は傑作だ、という声には反論の余地無く同意します。けれど、「本格ミステリ大賞」に選ばれるべき作品はどちらかと問われれば、やはり『骸の爪』を推します。作品としての良さであれば、『シャドウ』かもしれませんが、「本格ミステリ大賞」なのであれば『骸の爪』を候補に入れるべきでした。そう思います。


『邪魅の雫』は、京極堂シリーズの最新作であり、文句無く「本格」の様相を呈していましたし、作中に昨今の「本格論争」へ意見を傾けるような言葉もいくつかあり、その点も含めて非常に質の高い作品となっていたと思います。
ただやっぱりシリーズ作の一つという事もあり、ここであえて『邪魅の雫』を推す必要性が見つかりません。北村薫先生の弁をお借りすれば、『邪魅の雫』以上に推すべき作品が京極先生の著作の中にありますし、どうしても比べてしまいます。


『樹齢』は、北海道のアイヌという閉鎖的な文化を取り扱っていて、その取材力は評価するに値すると思います。メインロジックに不可解な謎を提示して、それを解き明かすまでのプロットも素晴らしいですし、人物造型はもちろん動機の部分も納得できる部分は強く、ミステリ作品として傑作である事はこうして選ばれた事からしても当然認められるべき部分でしょう。
ただ多少の物足りなさがあり、「本格ミステリ」大賞に推す事は出来ない気がしました。


『時を巡る肖像』は、絵画修復士である主人公が行く先々で事件に巻き込まれるという形のミステリー短編集であり、これもやはり「本格」である事には間違いないと思います。
ただ一編一編の力強さが足りなかったせいか、不完全燃焼のまま読みきってしまいました。面白くはあったのですが、個人的な感覚で何となく物足りませんでした。『樹霊』もそうなのですが、ちょっと感覚的な感想に頼りがちで、語るだけの筆力も語彙もないので申し訳無いのですが、未熟な人間にはそういうった読後感で評価する事しかできません。
これがプロと素人の差ですね。情けない。


最後に、『顔のない敵』。
このノミネート作品の中であれば、ダントツに推します。もしも、『骸の爪』がノミネートされていればそちらを推していたでしょうが、そんな想像はいくらでも出来るのでとりあえずは良いでしょう。

『顔のない敵』は、「地雷」という物を作品のテーマにそしてモチーフにしている短編集です。選評者の方々の多くが「弱い」という言葉を使っていましたが、それに反論する事は僕も難しいと思います。思いますが、その「弱さ」を含めても、『顔のない敵』の素晴らしさが損なわれる事はないと僕は考えます。
アイデアはもちろん、平和ボケしている日本人には「地雷」というイメージの付かない道具を使用し、それを上手く使ったプロットは賞賛せざるを得ないはずです。また、現在過去未来に起こり、起こっている、これからも起こるだろう政治的要素や人間と人間との関係を見事に描ききった作品というのはミステリ小説の中においてもそう多くはないだろうと想像します。

こういった特異な作品を推さずに、どうして『シャドウ』が受賞するのかは若干納得がいきませんが、まあそれは結果ですからね。
個人がどう思おうと仕方のないことであると思います。

こういう事を書くだけの知識と経験が無い僕が何を言っても仕方がないということなんですが……。読んでいない現代ミステリに古典ミステリが多すぎて泣けてきます。全然追いつけません。
素人の暴言です。


最後に一言二言。
二階堂黎人先生はアレですね。某文学賞における某作家さんと同じ役割を果たしていますね。
悲しすぎて選評はとてもじゃないですが読めません。

いろいろ言ってもしょうがないし、その中に桜庭一樹の『赤朽葉家の伝説』をノミネートさせるべきだったとか言わないで下さい。「日本推理作家協会賞』でもミステリか否かの議論に発展したというのに、ミステリか否かの議論が含まれるような作品は「本格ミステリ大賞」に選ばれるべき作品ではないと思います。
作品の良し悪しとはもちろん別として。

そういう部分に差を付けるために「本格ミステリ大賞」がある意味があると思いますし、ノミネート作品を選ぶ方式を変更させる等には同意しますけれどもね。評論作への選評もそうですし、読者の一人としては不愉快にならざるを得ないような発言でした。

というわけで眠いです。おやすみなさい。
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| URL | 2008-09-11-Thu 00:00 [EDIT]
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